オオバン

荒川の河岸にオオバンの群れがいた。気が付いてとりあえず写真を撮り、少しずつ近づいたら気づかれて水面へ逃げてしまった。今度は水辺で近くへ行こうとするのだが、オオバンはゆっくりと遠ざかってしまう。そんなわけで、なかなか前からの姿を近くでは見られなかった。

昨年の大晦日、日の暮れかかった街の上を飛ぶムクドリの群れがあった。あるビルの上にたかったかと思えば、何かの合図があったかのように一斉に別のビルへと移っていく。見上げると、黒いシルエットになったたくさんの鳥のバックに紫色になった空が美しい。この空の色がさらに濃くなり、やがて次に明るくなった時にはもう年が明けているのだな、などと思いながら先を急いで歩いていた。
その時、髪の毛のあたりに何かが触れた気がした。その辺りを触ってみたのだが特に何も無い様子だ。後ろを歩いていた妻に聞いても何も付いていないという。その時は気のせいかと思ったのだが、あとでコートに着いたシミを見て糞を落とされたことが分かった。
僕は少なからずがっかりしたのだが、妻にむしろ励まされた。今年は酉年。きっと、鳥のうんが付いたのだ。今年はイイことあるぞ!