ミヤコザサ

高原を歩いていると、山道の両側に茂っているのがこの笹。子どもの頃から、こういう葉っぱがいっぱいあったらクマザサというものだと思っていた。でも山梨県はミヤコザサが卓越しているとのこと。全国的には何という笹が多いのかはよく知らない。ただし、熊笹というのはこの種の笹の総称としてもNGではないようだ。
若い頃、仕事で北海道によく行っていた頃のこと。サッポロから特急に乗り釧路へ向かった。石勝峠を過ぎ、十勝平野に出る。帯広を過ぎて更に乗り続けると、豊頃、浦幌などを通って海辺へ出る。そしてしばらく乗ると、海辺の山が熊笹に覆われている景色に出会う。木はあまり無くて、笹ばかりが一面に広がって丘の勾配を覆っている様子だ。これを初めてみたときは驚いた。比較的温暖な土地で育った僕にとっては、熊笹は高原にある植物というのが常識だった。でも北海道(釧路)では海岸沿いに熊笹が茂っていて、そのまま丘を覆っている。ずいぶん遠くへ来たなあ、と思ったものだ。しばらくそんな景色が続くと、今度は真夏なのに誰も砂浜にいない白糠あたりの海岸線が続く。ところどころに流木が上がっている。そして釧路に到着する。