母校の景色

僕は高校の時には地学部に在籍していたのだが、そのときの友人のFが千葉で理科教員をやっていて、なんとこの4月に母校の稲毛高校に人事異動になった。千葉県の高校は私立もあわせると200校近くもあるから、なかなかの確率だ。そんなFから春に電話があって、「まだ俺たちの頃のものが残ってるよ」と言っていた。

この度、ようやくFの職場を訪問する機会を得ることが出来た。校舎は工事中で、あちこちに囲いがあった。近頃は中学校も併設されたとのことで、校舎には高校の校章と並んで中学の校章が掲げられていた。建設当時のこの高校は、当時の学校建設としてはちょっと珍しくわりとモダンな建物だった。1階にはあまり部屋が無くて、海から風が抜けるようになっている。この写真で言うと、階段を登ったところが正面玄関で、左に事務室、右に職員室がある。
門のところで僕を迎えてくれたFの後について行く。僕の記憶の中にあったのは30年前の景色だったわけだが、30年を経過して、モダンだった建物の内部はずいぶん疲れている印象だった。剥がれた廊下のPタイルや壁の汚れを見て、30年の月日を感じた。建物だけではない。Fも僕も髪の毛にずいぶん白髪が混じるなど、30年分の変化をしている。