ノコンギク

山の明るい場所に群れて咲いていた。花の直径は5cmぐらいで、花びらは薄い紫色をしている。ネットの図鑑をあちこち見たが、どれを見ても「どこにでも普通に見られる」というようなことが書かれていた。僕にはどこにでも普通に見られるようには感じないのだが、きちんと調べている人たちには見えるのかもしれない。関心の無いものについて人は概ねそんなものだ。毎日通っているような道のどこにどんな店があるかなど、思い出そうにもなかなか思い出せないものだ。
僕は何かと小道具が気になる方だから、映画やテレビドラマを見ていて、登場人物の誰がどんな車に乗っていたとかどんなカメラを使っていたとか何というタバコを吸っていたなんていうことをよく見ていたりする。その分、いろいろのせりふやカットをうろ覚えだったりして、一緒に見ていた妻に質問すると「○○のときに言ってたわよ」と教えられる。その妻は小道具に無関心だから、たまに小道具がカギになるような場合には僕が(きっと得意顔で)教える。