古タイヤ

20200316222247

道端の茂みに古タイヤが二つ見えた。これから暖かくなって葉っぱが茂ると見えなくなるだろう。4~50年前ならば、古タイヤが大量に捨てられているような場所が河原や山奥のあちらこちらにあったものだが、すっかり見なくなった。僕は古タイヤを見ると、中学生か高校生の頃にNHKテレビで見た光景が何故か思い出される。それはパキスタンの映像で、日本から輸出された古タイヤが様々に加工されて役立っているというものだった。ひとつは、タイヤをうまく切り取って穴をあけて鼻緒を通しサンダルを作っていた。履いている人は「厚手だし頑丈でいいんだよ」ってなことを言っていた。もう一つは本格的なものだった。古タイヤを機械に取り付けると、古タイヤがゆっくり回り、そこに刃が降りて来てタイヤの表面を削り新たな溝を掘っていくものだった。そして雨の日のグリップがよみがえったであろう新品気分の古タイヤが出来上がっていた。日本だと車検に通らないのだろうが、凄いことを考えるものだと感心した覚えがある。