東芝の高速エスパー

以前に一度出した物とは別の「東芝の高速エスパー」だ。店頭にエスパー人形はないが、「PASOPIA」の看板が置かれていた。
備忘録的に書いておくと、パソピアとは今を遡ること35年も前の1981年に東芝から発売されたパソコンの名称。cpuはz80を搭載していた。
こんな看板があるということは、少なくともこの店ではパソピアを買うことができたということだろう。今のWindowsなどとは違ってBASICなんかで動かしていた時代の機械だ。はたしてこの電気屋さんは、他の家電機器と同様に取り扱って説明してなんていうことができたのだろうか。いまどきの量販店では解ってるんだかどうだかあやふやな店員さんがいる程度だし、僕のようにこの20年ほどパソコンはどれもネット通販で買っている者にとってはどうでもよいことになっている。しかし、手厚い納品とアフターケアが何より売り物だった30年以上前の町の電気屋さんにとって、自分の店で納品している製品を熟知していないということは、きっと「販売者倫理に問題がある」と思いこむぐらいの気負いがあったのではないかと思うのだ。客の方でも「わからん物を売りつけるな」というような意識の高さを要求する時代でもあったと思う。そういう意味では、「高速エスパー」を知らない人が多数派を形成したのと同じように、時代の流れは販売者の素人化について実に寛容になったと感じる。