桜の科学館

愛宕山の桜は三分の咲きというところか。
甲府へ引っ越して来て以来、桜の季節を迎えるのは17回目になった。初めて甲府に来た頃には立ち上がることもできなかった長女は、もう僕の背の高さを超えてしまった。
ところで、これまで17回の桜は一度として落ち着いた気分で迎えられたことが無い気がする。人事異動、退職、年度の終わりの事務仕事、花粉、黄砂、霞んだ景色、実に様々なことが錯綜する時期で、民間企業に勤めていた頃には感じたことのなかったことだ。
不思議なもので、花が散って若葉が覆う頃には気持ちも落ち着いてくる。桜の花の時期が短いことは、そういう意味で重要なことだ。