濁川で

今日はちょっと用事で盆地の南の方へ行った。黄砂が来ているそうだが、花粉の方は昨日よりも落ち着いたようで、春霞の具合は幾分か薄くなっていた。用事の合間に時間をつぶす必要があったので、濁川へ行ってみた。土手の道から河原を見下ろすと、葦などの草は刈り取られすっかり平らになっていて、そのあちこちにカラスノエンドウが伸び始めて緑色のまだら模様を作っていた。水面にはたくさんの水鳥が浮かんでいたのでいつものコンパクトカメラの電源を入れつつ、ふかふかのカラスノエンドウの上を歩いて近づいた。しかし、近づく毎に手前から順に水鳥は飛び立ってしまい、いつまでも傍に行くことが出来ない。気付けばついさっき歩いていた辺りにほとんどの水鳥は移動してしまっていた。今度はもっと慎重に、と思いつつ回れ右して近づいて行くのだが、まるでからかわれているかのように、やはり手前から順に飛び立って向うへ行ってしまう。悔しい思いで遠めになった水鳥の群れを眺めていると、御坂山地の黒い稜線の上に少しだけ顔を覗かせてこの様子を眺めていたかのような白い富士山が見えた。