鳥が止まる枝

こっちが雀、あっちが烏だろうか。
さて、時はサッカー。サッカーで烏と言えば、日本サッカー協会のシンボルマークになっている「八咫烏(ヤタガラス)」だ。
八咫というのは長さのことで、144cmとなるという。この寸法は羽の差し渡しとしてもカラスとしてはかなりでかい数字だ。八咫烏は、神武天皇が行った東征の道案内をしたと伝えられ、熊野の神の使いだということだ。熊野は天武天王が通って蹴鞠をよくしたことだとかで、その熊野の神の使いである八咫烏は日本サッカーのシンボルとなった。そして、熊野は日本サッカーの聖地的な扱いになっているようだ。
国立競技場のことをよくサッカーの聖地だと言うが、それは元日に開催される天皇杯の会場であることの印象からだろうか。高校サッカーの準決勝以上の会場としても使われている。僕が中学生の頃に何度か行った「サッカーフェスティバル」も国立競技場でやっていた。Jリーグ発足後は特に大切にされて、どこかのチームのホームとしても認められず、ゼロックススーパーカップなどの大切な試合が行われている。この扱いは、イギリスのウェンブリースタジアムとよく似ており、意図してそういう演出をしているのだろう。
そんな国立競技場も、1964年の東京オリンピックのメイン会場として建設されたものであり、次の2020年の東京オリンピックのメイン会場建設のために壊されることになった。寂しい気もするが、もともとピッチの周囲に陸上のトラックが巻かれている国立競技場はサッカーの聖地としてはあまり相応しくなかったように思う。新しい国立競技場も陸上競技場らしい。2016年のオリンピックに立候補した際には、国立競技場の場所にサッカー専用スタジアムを建設するという青写真があったのだが、2020年の立候補で未来的な形の陸上競技場に変わってしまった。それでも、今後も新国立競技場がサッカーの聖地として扱われるのだろうか。