シバザクラ

御嶽山麓では、花桃だけでなく芝桜もあちらこちらに咲いていた。芝桜は、今では田舎の町村がやる村おこしの代名詞のようになっているが、つい先月も本栖湖のあたりで芝桜祭ってなものをやっていてその入り口では複数の警備員が棒を振っていた。よっぽど来る人が多いということなのだろう。この花が盛大に咲いて一帯を覆っている様子を僕は好きでは無いのだが、写真にあるようにこんな風に田舎の家の庭先などに咲いているのは自然な気がする。
村おこしの芝桜を初めて見たのは、今から30年ほど前の北海道滝上町だった。オホーツク海岸の紋別市で仕事があった僕は、旭川からの長距離バスに3時間揺られて、何度も紋別へ行った。その長い路線の途中にあった停留所が滝上だった。花の時期の滝上では山が「どピンク」に染まっていた。バスの窓から見えるその景色を見て「わーきれい」というようなことを言っている人はよく居たのだが、僕には綺麗に見えなかった。でも、その頃に比べると芝桜にもいろいろな色があるようで、今ではきれいだなと思うこともある。
滝上(読み:たきのうえ)