朽ちた遊歩道

富士山麓の某所にある木道は、使われなくなったせいですっかり朽ち果てていた。恐らくこれを造るのにかなりの税金が使われたのだろうと思う。このあたりは溶岩地帯で所々にぽっかりと大きな穴も開いている。そういう景色を見ながらのんびり歩かせるというような考えで造ったのだろう。しかし、広報も忘れられ整備も疎かになり訪れる人も減って、管理が打ち切られた。しかも、撤去費用も予算化されずやがて見捨てられた。そんなところだろう。「ここには遊歩道を造って観光客や遠足の子供たちに溶岩地形にふれてもらおう」そんな考えを持って当時の担当者は造ったのかもしれない。その人が引き続きそこに居ればいろいろなことが実現していたかもしれないが、数年ごとに人事異動が繰り返される中で、この遊歩道に思い入れの無い人たちが煩わしさを感じる中で朽ちるままにされることになった。そんな風にも思われる。