虹が囲う飛行機の影

東京から帯広へ向かう飛行機の景色は、次第に雲が多くなった。帯広空港が近づき、いよいよ一面が雲、というところで下の方にこんな景色が見えた。本当はもっとくっきりした虹が飛行機の影を囲っていたのだが、写真に撮るとなかなかきれいにいかない。飛行機が降りて行けば行くほど、この虹の直径が大きくなっていった。そして。雲を通り抜け、地上の景色が見え始めると、十勝平野に広がった畑の上に大きな虹のアーチがかかっていた。次女はそれを見て大喜びだった。
本当はこの虹を撮りたかったのだが、近頃の飛行機は電子機器の使用が極度に制限されているのでNGだった。"ポン"という音がしてシートベルトを締めなさいというマークが点灯すると、とたんにスチュワーデスさんが放送で「全ての電子機器の使用をやめてください」と言う。離陸のときも飛び立ってから上空で安定するまで禁止される。だから、地上が良く見える時間帯には写真を撮ることができない。フィルムのカメラにすればよいかもしれないが、今ではその方が贅沢だ。それにしても、"全ての電子機器"というのはずいぶんだ。補聴器だとかペースメーカーだって電子機器だ。まさかそれまで止めろとは言っていないと思う。とすれば、デジカメぐらいいいじゃん、と言いたいのだが、ダメなのはどんな理由なのだろう。