富士山に風

朝から風の強い日だった。富士山をよく見ると、雪が巻き上がっている様子が見られた。さぞ強い風が吹いていたのだろう。見るからに寒そうだ。
職場のミツバチも、このところの寒さで随分おとなしくなった。今日はそんなミツバチの様子を養蜂家のNさんが見に来てくれた。そこでいろいろ話を伺ったのだが、興味深い話を聞く事が出来た。長野や岐阜は養蜂家も多く規模も大きい人が多いそうだが、山梨は少ないのだそうだ。では、山梨では新規参入がし易いのかというとそうでもなく、そもそも「山梨は『花』が少ない」のだそうだ。だから新規参入しても花を取り合うことになってしまう。そんな話の中で、レンゲ、なんていう言葉が出たので、「私の家の方は田植え前の田んぼにレンゲが咲いていますよ」と言った。すると「んでも、5月にゃ田植えをしちまうだろ」「花がみんな漉き込まれちまう」と言われた。「昔の田植えは7月ぐらいだったから、花の時期がたっぷりあった、でも今は5月にゃ田植えだ」
なるほど、聞けば数十年前の頃とは稲の品種がずいぶん変わって来たようなのだ。戦後すぐの頃から養蜂と農業を営んでおられるNさんであればこその解説だった。養蜂業の盛衰に稲の品種が関係しているだなんて、聞かなきゃ絶対に分からなかった。