スーホの白い馬

小2の次女の国語の授業は、今日から「スーホの白い馬」が始まったと言っていた。これは僕が小2の頃から変わらない。
僕は小さい頃から地図や地球儀が好きな子供だったが、モンゴルはソ連と中国に挟まれた未知の国でしかなかった。そしてスーホの白い馬以来、僕がモンゴルに持つイメージはスーホの白い馬の物語のそれになった。広い草原が広がっていて、馬がたくさんいて、怖い王様もいて、夜には馬頭琴の調べが聞こえるところ。
もう少し大きくなると、モンゴルの多くが砂漠であることを知り、そういう場所から黄砂が飛んでくるということも知った。やがて大相撲にモンゴル人力士が現れ、旭鷲山が出世した。その影響かテレビではモンゴルの旅行やモンゴル相撲を紹介する番組も見られた。
そして1997年、皆既日食とヘールボップ彗星を見るために、初めてモンゴルへ行った。初めてモンゴルの料理を食べ、初めてモンゴルのウォッカを飲み、初めて馬頭琴を見た。そして初めて、草原の一本道を疾走するバスに乗った。運転手はモンゴル人、彼にとってバスは馬なのだろう。
それにしても、親子が同じ教材で学ぶというのは良いものだ。卒業式で「仰げばと尊し」を歌うはずのところが流行歌に変わり、運動会の「騎馬戦」が見られなくなった。「ハモニカ」は「ピアニカ」に変わり、習字の硯は石から樹脂製に、絵の具の入れ物はビニールのチューブになった。そんな中で40年以上も変わらずに二年生の国語の教科書で巻末を飾っている「スーホの白い馬」、つい子供に思い出話を語ってしまう。よくぞ残してくれたものだ。光村図書出版、粋だね。