油井飛行士、ソユーズで宇宙へ

先日、そろそろ打ち上げだなと思って、川上村に行ってみた。油井亀美也宇宙飛行士の故郷だ。さぞや盛り上がっていることだろうと思ったのだが、集落には特にのぼりなども無く、ここがその人の出身地だと聞かされなければまるで分らない感じだった。役場に行ってみると、建物に横断幕が掲げられており、ようやく出身地だぞという証拠を見たような気がした。

役場のカウンターで「油井飛行士に関するパンフレットなどは作っていませんか」と聞いてみたところ、奥の方へ行って話し、話しかけられた人がまたもう一人に話し、3人目の人がようやくちらしを持って来てくれた。打ち上げの日にパブリックビューイングをするというちらしだった。その他にはパンフレットなど作っていないとのことだった。きっと、行く時よりも帰ってきた時の方が、パレードしたり講演会したりでよっぽど盛り上がるんだろうなと思った。

役場のある集落から油井飛行士の出身集落まで単車を走らせたが、やはり油井飛行士に関するのぼりやポスターなどは見られなかった。集落の入口のところにようやく看板があった。森林組合が作ったもののようだ。

川上村は、清流「千曲川」の源流域にある。川に沿って国道が走り、ところどころに路村が形成されている。おもな産業は農業で、高原野菜の生産で有名だ。僕が大学生の頃にも、川上村にひと月ぐらい泊まり込みでバイトに行った友達がいた。帰って来てからずいぶん青春を語っていたのを思い出す。
油井さんの実家がどこかはわからないが、もしかしたらこの景色の中にあるかもしれない。山に囲まれた集落だ。千曲川は、この先数々の支流の水を集め、やがては信濃川と名前を変えて日本海に注ぐ。その道程は日本で最も長い。

出身の小学校は建て替えられてきれいになっていた。

出身の中学校はつい最近建て替えられたようで、ちょっと斬新な感じの意匠の建物だ。

先日、今の職場の元同僚のKさんと酒を飲む機会があったのだが、油井さんは「ライトスタッフ」だよね、というところで話が盛り上がった。アメリカで選ばれた最初の宇宙飛行士たちは「マーキュリーセブン」と呼ばれるが、別名は映画のタイトルにもなった「ライトスタッフ」だ。ライトスタッフは海軍、空軍、海兵隊のテストパイロットだった命知らずの男たちだ。これまでの日本の宇宙飛行士はお医者さんや研究者などばかり。それが悪いとは言わないが、油井さんは航空自衛隊パイロットというところがイイ。打ち上げが無事に終わり、こうのとりとのドッキングなどをはじめとするミッションも成功し、どうか無事に帰還しますように。