アマガエル

川の堤防に作られた東屋で休んでいた。川岸には桜並木が続き、私たちがいた東屋にも一部が覆いかぶさり、また一部は東屋から見下ろせるような位置にも枝があった。桜の葉はすでに所々が黄色くなり始めており、ほどんどの葉に虫食い跡があった。葉の季節もそろそろ終わりだ。さぞかし花の時期は景色が良いことだろう。その頃には、きっと地域の人がここに食べ物やお酒を持ち込んで楽しくやっているに違いない、そんな風なことを言いあいながら景色を眺めていたときだった。妻が、「あれ? カエル?」と言って指差した。指差された場所を見たが一瞬わからず、視線を注いでようやくわかった。アマガエルが日当たりの良い葉の上でじっとしていた。しばらく見ていても全く動かない。眠っているのだろうか。注意すると他にも同じようなアマガエルがいた。日光浴ということだろうか。私たちにとっては日陰が過ごしやすい季節だが、アマガエルにとっては、私たちが暑く感じる日なたが程良いということだろうか。