日影に残る雪

東京では、何十年ぶりに最高に寒い日だそうで、朝も夕もニュースはそれに関する事ばかり見せていた。夕方に散歩をしたのだが、風が強いこともあってか、厚手の上着のポケットに入れた手の人差し指は少しも温まることなく冷え込んでいった。途中、廃屋の解体工事をしている人たちがいた。粉塵が飛ぶ風下をなるべく避けつつ作業をする横を通り過ぎた。寒空の下で行う作業は辛かろう。解体されて露わになってしまった誰かの部屋も寒さを強調させた。