廃屋と紅葉

田舎道を歩いていると、どうしてもこのような景色に出会うことになる。若年層が都市に出て、老年層は一層歳をとり、やがて家屋が維持できなくなる。近頃は田舎に引っ越したがる人もいるようだ。しかし、もしもそういう人が廃屋を手に入れたとしても、手を入れるにもお金はかかるし、暮らし始めると今度は田舎ならではの人間関係や自治会活動に囚われてしまうかもしれない。そして再び廃屋に。
ところどころに現れる廃屋の庭では、このように美しく木々が色づいたり、柿や花梨の実がたわわに実ったりして、そいういう景色がなんとも侘しい。僕は、この柿の実を全部干し柿にしたらどのぐらいの金額になるだろうかなどと、つまらんことを歩きながら考えつつ通り過ぎて行く。