あかつき

去年の今日は、今頃帰ってきてぐったりしてたんじゃないかな、と思う。
科学館では昨年の夏休み特別展として、宇宙探査を扱った「宇宙探検にチャレンジ」を開催した。24日(土)からの開催だったので、23日は最後の準備の日。土壇場になってからレイアウトを変えたりしたのを覚えている。エアコンは18時頃に消えてしまうから、夜は随分暑くなっている中で作業していた。
写真は金星探査機「あかつき」の実物大模型。このテーマで実物を扱うのはきわめて困難。でも実物の迫力を伝えたかったので、実物大の模型を作ってもらった。思ったより大きいと感じる人、小さいと感じる人、様々だったが、「これが今金星に向かって宇宙を飛んでいるんです」と話すと、とても関心を示してくれた。「本体は、はやぶさと同じ大きさです」と言うと、帰って来たばかりだったはやぶさの快挙を知る人は、益々の関心を示してくれた。
はやぶさとあかつきはどちらもNECに発注された探査機で、ボディはまさに双子だ。どちらも宇宙科学研究所のM5型ロケットで飛ぶことを予定していたのだから、大きさが同じなのは必然ともいえる。はやぶさはM5型で飛んだ。しかしその後、宇宙科学研究所(ISAS)と宇宙開発事業団(NASDA)の合併によってJAXAが設立され、2種類のロケットを持っているのはムダということでM5型が廃止されてしまった。そして、あかつきは旧NASDAが開発したH2-A型ロケットで打ち上げられたのだった。あかつきを開発したISASの研究者のひとりは、できればM5型で打ち上げたかった、と言っていた。H2-A型はM5型よりも大きいので、あかつきの周りにはたっぷりの隙間がある。ここに、同じJAXAイカルスをはじめとして小型衛星が多数相乗りしての打ち上げとなった。
特別展期間中は、はやぶさのことを聞かれることも多かったが、これからはあかつきですよ〜、と年末近くの金星周回軌道投入への期待をあおっていた。