鉄塔

高圧電線を伝えるための大きな鉄塔、東京電力のものだ。これは荒川があと2kmぐらいで笛吹川に合流する手前のところ、城南中学校近くの右岸にそびえ立っている。3方向に電線が引かれているけれど、力は不均衡にかかっているはずだ。基礎がよっぽど強く出来ているのだろう。もしも弱ければ向こう側に倒れてしまいそうだ。とくにこの場所は荒川の後背湿地にあたる場所だから地盤は弱いはずで、ずいぶん深くまで掘って基礎を打たなければならない。そのためにはしっかりとした地質調査が必要だ。僕はずいぶん前、千葉でのことだけれど、東京電力が鉄塔をつくるために行ったボーリング調査の柱状図を見たことがあった。この調査は単に鉄塔を設計するためのデータとしてだけでなく、地質学の資料としても一級のデータとなる。地震の防災計画にも役に立つ。そんな凄い事やってる東京電力。しかし、皮肉にも震災の中で原発事故が起きた。津波の大きさを甘く見た人災だとの声も聞こえてくるが、まさか鉄塔の設計に甘さがなければよいが。