星をつかんだか

星をつかんだ。でも、つかんだはずが、手からこぼれてしまった。広島市にある江波山気象館で開催されていた企画展でのこと。星は誰かの手の中に握られてしまうものではない。誰もつかめない、自由にできない。
今日、ロシアのチェリャビンスクというところに隕石が落下したようだ。夕方のニュースでその映像を見て驚いた。大勢の人が怪我をしたようだが、隕石落下の衝撃波によると思われる破壊の様子など、生々しい映像が次々に映し出された。
もう10年以上も前のことになるが、プラネタリウムで「恐竜を滅ぼした星 小惑星大衝突」という番組を作った。このシナリオを書くためにいろいろな本を読んで勉強したこともあったので、今回の隕石落下のニュースには特に敏感に感じたようだ。そしてあちこちのチャンネルのニュースを見て時間が経つ毎に、その番組を作った頃の様々なことを思い巡らした。「隕石落下のニュース」→「あの頃は良かった」という連想は、多くの負傷者が出てしまった今回の出来事には、いささか不謹慎な感があるかもしれないが、いろいろやらせてもらえた輝かしい時期だった。いくつものシナリオを書き、アイデアにあふれていた。しかしやがて手からこぼれて行った。
青天の霹靂で計らずも怪我を負ってしまった多くの人々の早い回復を祈る。