タチツボスミレ

湯村山を登る道の脇には、タチツボスミレがたくさん咲いていた。色も大きさもあまり目立たないものであるが、とても多かったので目に付いた。愛宕山で見られるスミレもタチツボスミレが多い。
歩いていると、岩の割れ目に根を下ろして花を咲かせているものがいくつかあった。僕は、これは岩手の名物「石割桜」ならぬ「石割スミレ」だ、と思ったが、一緒にいた次女は「イワザキズミレ」と名づけた。この場合「ス」ではなく「ズ」が正しいのだと本人は力説していた。
春のわずかな時期にしか咲かない花を見ながらの小ハイキングは、わずかな距離のわずかな時間だったのだが、普段から運動不足の体にとっては案外疲れた。