黒いビニールのごみ袋が風に飛ばされて来て、枯草に引っかかった。枯草はどれも風下の方に向かって倒れている。冬の風は強く、この写真の韮崎あたりでは八ヶ岳方面から吹く北風が一層厳しい。この風を「八ヶ岳おろし」と言う人もいる。
枯草の向こう側、一段低いところには田んぼがある。まだ寒いこの時期には何も植えられていない。枯草の付近はかつて畑だった場所だろうか。この様子だと数年間は放置されているようだ。
数年前まで、市民農園を借りて野菜を作ってみた時期があった。そこは市が持っている土地なのか市が借り上げている土地なのかわからないが、細かく仕切られた区画がずらっと並んでおり、若い夫婦からお年寄りまで、様々な人たちが耕作を楽しんでいた。隣の芝生は青く見えるという言葉があるが、自分も頑張ってやっているつもりなのに他の人の畑に実った作物の方がおいしそうに見えたものだ。
この写真のようなちょっとした休耕地も、住宅地のすぐそばだから貸し出せば借りる人がいそうなものだが、なかなかそういう借地流通というものは無さそうだ。