倒木

葉が落ちてすっかり見通しが良くなった山道を歩いていたら大岩に出くわした。と、咄嗟に思ったのだが、よく見ると木の根っこだった。直径十センチ前後の何本かの細い木がまとまって地面から剥がれて倒れていたのだ。地下に向かって根を張ることができず、周囲に根を伸ばす中でお互いが絡み合ったのだろう。やがて大雨と強風の台風の中、薄く張った根は雨水で緩み、そこへ強風が吹き付けて、敢え無く倒れてしまった。そんなところだろう。