麦秋

これは数年前の写真で、一か月ぐらい後の時期のもの。麦秋とは、秋という字を使うが実際には二十四節気小満の頃のことで、今から凡そ一か月ぐらい後のことだ。
では、なぜ本来よりもひと月も早いこの時期に麦秋としたかというと、「麦秋」という映画を観たからだ。正確には、数日前にBS放送でやっていたものを録画しておいて今朝の出勤前に観たのだ。2時間を超える長さの作品であるが、50歳ころになってから朝方に目が覚めると眠れなくなったので、朝飯前には時間がたっぷりある。
麦秋は、1951年の小津安二郎作品であるが、今回の放映はそのデジタル修復版だったので映像がとても綺麗だった。デジタル修復技術のおかげで以前は見る気がしなかった古い白黒作品もあまりストレスなく見られるようになった。ただし、音声の方の修復技術はまだまだ発達してもらわないと、セリフが聞こえづらい。音楽も割れている。だれか画期的な発明をしてくれないものか。それでも2時間強をしっかり見られたのは、デジタル修復技術のみならず、小津監督の演出の賜物だろう。一つ一つは日常の何ということのないカットなのだが、まるで飽きない。