ガクアジサイ

明日から1泊2日の日程で、愛宕山少年自然の家に宿泊してのお仕事。
その愛宕山の遊歩道には、所々にアジサイが咲き乱れているところがある。この季節は少し歩くだけでも汗ばんでしまうが、大きなアジサイの花やそれに集まる虫を見るだけで気分が良いものだ。
梅雨は五番目の季節だと言われることがある。梅雨の無い北海道出身の妻は、梅雨というのはひと月以上の間、ずっとシトシト雨が降り続くものと思っていたという。僕らにとっては断じて間違ったイメージなのだが、当事者ではない人にとってはそんなものなのだろう。僕が北海道の十勝あたりの景色を見ながら「あーあーあああああーあ」と、北の国からの歌を唄うと、「それは富良野でしょ、ここは十勝!」と言われる。僕にとっては純君や蛍ちゃんが走っていそうな景色に見えるのだが、道産子にとっては断じて間違ったイメージなのだ。
子どもの頃、梅雨のこの時期には、NHKの「おかあさんといっしょ」や「みんなのうた」で「雨降り熊の子」という歌をよくかけていた。近頃は耳にする機会が無いのだが、子どもの頃によく聞いた歌なので歌詞もよく覚えている。梅雨の時期にかかるのだから、場面設定は、梅雨の無い北海道の森ではないだろう。ということは熊の子はヒグマではないことになる。なかなか止まない雨に、熊の子は笠でも被ろうということで頭に葉っぱを乗せる。場所が北海道ではないのだから、この葉っぱは「ラワン蕗」ではない。青森以南の森で、ツキノワグマが千切って頭に乗せそうな大きさの葉っぱというと、やはり簡単に手が届きそうなアジサイの葉がしっくり来る。笠になるほど大きくないところが、絵にもなる感じだ。