ザクロ

豊穣神デーメーテールの娘ペルセポネーは冥府の神ハデスにさらわれてしまう。その後紆余曲折があってペルセポネーは地上に戻ってくるのだが、冥府でザクロの実を食べたことが発覚してしまう。冥府のものを食べてしまったら地上に戻ることはできない定めなのだが、ここで大神ゼウスから折衷案が出され、一年のうち一定期間だけ冥府に居なければならないということになった。ペルセポネーが地上に戻ってくるとデーメーテールは豊かな実りをもたらし、ペルセポネーが冥府に行ってしまうとデーメーテールは悲しみに暮れて地上に実りが無くなる。こうして地上に四季ができたのだそうだ。以上、プラネタリウムおとめ座の紹介をするときによく使われるギリシア神話の一節。

冥界とは「あの世」ということだろうが、ザクロはあの世でも実っているということになる。これを真剣に考えるのは馬鹿馬鹿しいことだが、ずっと前から「なぜザクロなのかな」というところが気になっている。ザクロの実は赤く透き通った色をしているが、同じような宝石のガーネットにザクロ石という別名がつけられている。ペルセポネーは、まさかあの世の財産に手をつけてしまったのではないか。神々の世界の話だからそれじゃ俗っぽ過ぎるか。(下の写真は葉、木肌)