一昨日の事。夕方から雨という天気予報であったが、妻と梅を見に散歩に出た。空には西の方からだいぶん鼠色の雲が張り出していて、半分以上を覆っていた。そのため日差しが無いので景色は寒々しく見えた。梅の咲き具合は足踏み状態と言ったところで、一部の早咲きと思われる株は景気が良いものの、ほとんどはまだ咲いていない状況だった。それでも梢に近づいて見てみると、もうぎりぎりまで膨らんだ蕾がたくさん見られた。もうすぐだな、などと言っていると、顔や手に冷たいものを感じた。もう降り出しちゃったか、と僕が言う間に、妻はすでに踵を返していた。これから先が梅園が続くのにと思いながらも仕方なく、近道をして梅の木があまり無いところを通ってやや足早に家を目指した。
