松の穴

またも先月26日の写真。大きくて枝振りの派手な赤松を見上げたら、枝に穴が二つ開いていた。
キツツキの穴だろうか、リスやモモンガなどの穴だろうか。
松の木に巣を作れば松の実がすぐそばにあって便利ということだとすれば、これはリスの巣穴なのかな。そう簡単なものじゃないかな。穴がある枝だけ枯れているところからすると、軟らかくなっていて穴を開け易いし餌になる虫の幼虫も多いから、やはりキツツキの巣穴かもしれないな。見上げながらそんな風に思う。だいたい人は見上げているときは口が半開きになっている。その方が顎の筋肉が楽だから自然にそうなるのだろうが、なんとなく馬鹿っぽい。僕もきっと馬鹿っぽく口を開けて見上げていたのだろう。
松と言えば松明(たいまつ)を思い出す。と言って、松明に火がついたものを生で見たことは多分一度も無い。僕が子どもの頃のテレビ番組には、「サスケ」「仮面の忍者赤影」「カムイ外伝」「忍者部隊月光」などなど、子ども番組にも時代劇が多かった。もちろん大人の番組にも毎日のように時代劇が多かった。「銭形平次」「水戸黄門」「木枯らし紋次郎」、、、。松明を使うシーンも多かった。ただ、松明の形がいつも違うのが気になっていた。藁で包んだようなのもあったし、木ではさんだようなのもあった。大きさもまちまちだった。夜に使うものだから暗いシーンが多いわけで、はっきりと見られないのが仕方ないところである。それでも形や大きさの違いをみては、子どもながらに、買ったお店によっての違いや地方によっての違いがあったのかもしれないと思っていた。今思うと、当時のテレビドラマの時代考証が松明形状の地域による違いにまで及んでいるとはとても思えない。きっと台本を読んだ小道具さんが、倉庫の奥から探してくるとか、以前のドラマの映像を見て作るとか、映画を真似して作るとか、なんとなく想像で作るとか、そんなところだったのではないかと思う。