ミノムシ

久しぶりで単車に乗って田舎の道をブラついた。暑くなく、寒くもなく、とても気分が良かった。休憩をしていたところにウツギか何かの花が咲いており、そこには多くの蝶や蜂が集まっていた。それを見ながら歩いていたら、近頃珍しくなったミノムシがぶら下がっているのを見つけた。
ミノムシって何だったっけな、ということでちょっと調べてみた。ミノムシとはオオミノガの幼虫で、終齢幼虫がこの蓑(みの)を作り、幼虫のまま冬越しするそうだ。この蓑だけでも興味深いのに、更に興味深いこともある。冬越しした幼虫は6〜8月に成虫つまり蛾に変態するわけだが、蛾になるのはオスだけで、メスは変態せずにそのまま幼虫の姿で蓑に留まるのだという。(人間も変態は男だけだと言いたくなるかもしれないが、意味が違う)
なぜ近頃は数が減ったかということだが、人間による自然破壊のため、と、こういうときにはお決まりの答えが出てきそうだが、違っているようだ。今では絶滅危惧種にまでなってしまったミノムシを激減させたのは、オオミノガヤドリバチという外来種の寄生蜂が原因だということだ。ということは、激減こそしてしまったが絶滅することも無さそうな感じだ。オオミノガヤドリバチが全てのオオミノガに寄生してしまったら、オオミノガは絶滅してしまう。しかし、オオミノガヤドリバチの宿主もいないのだからオオミノガヤドリバチすらも絶滅してしまう。
それとも、オオミノガヤドリバチは自分たちの絶滅のリスクまで考えずにいるだろうか。もっとも、多くの人はこの2種の昆虫の行く末についていろいろ考えずにいることだろうが。僕もおよそそうだ。