品川駅変貌

品川駅が新しくなって始めて利用した。新幹線の新駅ができ、ずいぶんきれいになっていた。
僕が大学生だった30年も前の品川駅といえば、場末感とまでは行かないけれどなんだかちょっと古臭さみたいなものが漂う駅だった。ホームからコンコースへ上ると、週代わりぐらいの間隔で特設の出店が並んでいた。欲しいものが1本も見当たらない1本1,000円のネクタイ屋さん、ブランド品大安売りだけどどう見てもニセモノばかりなカバン屋さん、奇妙な物ばかり売っている雑貨屋さん、演歌とか10年以上前のアイドル歌手のミュージックテープを格安で売る店、まるで分類せずに文庫本をずらっと並べた古本屋さんなど、そういう店ばかりが並んでいた。それがまるでピッタリ似合う駅だった。降りてちょっと歩けばプリンスホテルなんかもある土地なのに、駅はプリンスホテル的ではなかった。
それが今ではすっかり都会の最先端だ。もともとはプリンスホテルのある西側の高輪口が表側で、東側の港南口は裏口という感じだった。港南口へ出るには長い地下道を通って行かなければならず、それが証明がちょっと暗めで天井の低い雰囲気の良くない通路だった。例えて言えば南甲府駅の地下道を広くしたような感じだったかもしれない。
今ではその地下道の上にあった車両区が東海道新幹線の駅になり、その上に港南口へ続く通路が出来上がった。それが写真の場所。天井の高い大きなアーチ型で日が降り注ぎとても明るい。そして両側には縦長の画面がずらっと並んで広告を展開している。すべての画面に同じものが映っているのでとても目を引く。そしてアーチが終わると右側に新幹線駅の入り口がある。
港南口を出ると、そこもすっかり変わっていた。30年も経つからいろいろ変わる。気がつけば僕もすっかりおのぼりさんだ。