細い月

昨日の夕方、細い月が出ていた。何枚か撮って手振れの無いのがこのカットだった。月の上に二つ、街灯のゴーストが出てしまっている。
月は、先に沈んでしまった太陽に、地平線の下から照らされている。だからそちら側が明るい。月をよく見るとぼんやりと丸い形がわかる。これは地球から照らされている薄明かりによるもので、地球が太陽の光を月に向かって照り返した言わば「間接照明」だ。この様子を頭の中で組み立ててみると、宇宙空間の立体感が見えてくる。
僕が始めてこの「地球照」に気付いたのは小学校4年生のときで、そのときは特に観察していたわけではなく、たまたま目に入った細い月をしばらく見ていたら気付いてしまったという次第。しかも更に観察するとうっすらと模様まで見えることもわかった。そのときはなんだかとても嬉しくて、例えて言うとだまし絵に気付いたときのような感じの嬉しさで、誰だったか家族の大人を呼んで報告し引っ張って行った覚えがある。
さて、僕の娘たちはというと、長女のときははどうだったか覚えていないが、次女は去年あたり地球照に気付いたので、僕はだいぶん遅かったことになる。僕は天文が大好きな子どもだったというのに。
それで、買ってもらっていた何冊かの天文の入門書や観察のガイド本などを見て「地球照」という言葉を知り、この現象についての仕組みがようやくわかった。この頃から調べ好きも始まった。