凍りつく朝

凍りつく朝というほど寒くは無いが、だんだん冬に向かう晩秋の冷え込みは、寒さへの心構えというものが今一つ甘いところもあって、とても寒く感じるものだ。先週、八ヶ岳山麓へ星を見に行った日の朝、夜半過ぎに時々舞っていた山からの雪と霜のために、すっかり白くなっていた。快晴の夜だったので、舞ってきた雪はどこかのスキー場の降雪機からなのかもしれない。だとすれば、この時期にこつこつと雪を作っている人たちがいるということだ。地味な仕事だ。スキー場から人口の雪が風に乗って飛んでくるのは天体観測にとっては正直なところ迷惑なことだ。でも、スキー場にとってはとても重要な仕事だ。
ちょっと前のことだが、とても良い言葉を言った人がいた。「オレは仕事に『生きがい』を求めようとは思わないが『やりがい』はあった方が良いと思う」というもの。これはなかなか奥が深い言葉だ。たしかにやりがいはあったほうが良い。確かに、やりがいがあれば一緒に仕事をした同僚たちと良い気分を分かち合えるだろう。しかし生きがいとなると意味が違う。仕事に生きがいを求めている人が、部下や同僚にそれを押し付けるようなことは、これまでにも何度か見てきたし、僕にそれを強要するようなことを言う人もいた。もしも皆がこの言葉を知ってときどき感じていれば、良い職場環境になるのかもしれない。