天井

この写真だけを見せられて「○○だ」と答えられる人はまずい無いことだろう。この銀色のモワモワみたいなのは「スーパーカミオカンデ」の天井だ。10月に参加した研究会で企画されたツアーでここに行くことができた。しかし、残念ながらあの純粋に満たされた巨大な水槽を見ることはできなかった。もしかしたら小さな覗き窓ぐらいはあるのかも、とささやかな期待もしていたのだがそういうものはまるで無かった。今までそれを見たのは天皇陛下と小泉元総理だけだそうだ。小泉さんのときは偶然装置が止まっていたので見ることができたらしいが、通常は総理大臣が来ても見せないという。それでもわがままな政治家などには、「装置を止めて見せる間に超新星爆発があったらノーベル賞がふっとぶぞ」と言えば皆引き下がるらしい。それほど御開帳は禁制なのだ。しかし、その水槽の蓋の上になっている床を歩くことができた。いろいろなものが置かれていて案外歩きづらい。そして天井はものすごく高い丸天井だった。半球形ではないようだが、これがプラネタリウムだったら世界最大のドームだろう。地下に築かれた巨大ドームに輝くプラネタリウムの星、その床下には宇宙の謎を探るための巨大な水槽があるとしたら、なかなか酔狂な話である。