ダイコンの花

ダイコンは、おでん種の中では最も好きなもののひとつだ。僕が好きな他のおでん種は、がんもどき、厚揚げ、餅入り巾着、ロールキャベツ、ウインナソーセージ、昆布といったところ。練り物は特にせっせと食べる人ではない。むしろ汁をご飯にかけて食べるのが好きだったりする。
たいていのおでん種は煮込むほどに美味しくなる。二日目や三日目だと、それまで積極的に手を伸ばさなかった練り物も美味しくなるので良い。ただし、ダイコンの場合は別だ。まだ固いようなダイコンは論外としても、柔らかくなってからも味のしみこみ具合に時間によって違いがある。しかも、一定のところを過ぎてしまうと実が柔らかくなりすぎてしまいむしろ美味しくなくなる。おでんのダイコンはなかなか気難しい。
そして何よりも問題なのは、家で食べるおでんの場合、ダイコンが美味しさのピークに達するはずの頃には、とっくの昔に鍋の中から消え失せていることだ。皆、ダイコンが好きなのだ。