ツツジの階段

階段というのはいろいろある。同じ階段でも登るときと降りるときでは景色が大きく違う。避難用の外階段によく使われている螺旋階段というものは概ねつまらない。場合によってはすっかり柵に覆われていて景色もろくに見えないこともある。それに比べると、こういう大階段は、初めて上るときにはその先の景色がどんなものか楽しみだし、降りるときには広々とした景色が広がる。
若い頃、球形をした建物の球の内側に沿って付いている階段の絵を描こうと思って描けなかったことがある。そのときには良いアイデアだと思ったのだが今思い出すと使いづらい階段だと思う。図面となると普通の階段でも描くのは難しかった。昔の建物だと、階段設計が雑で、例えば階高のつじつま合わせのために階段の最後の1段だけ踏高が他の段と違っているようなものもある。階によって踊場の寸法がずいぶん違うような建物もある。昔から階段は設計泣かせだった様子が窺える。階段はなかなか難しい。