窓辺の桜

校庭を囲む桜だけでなく、校舎のすぐ傍にも桜が咲いていた。教室の窓から見えたであろう満開の桜を想像すると気分が良い。この特等席のような教室は何年何組であっただろうか。科目として似合うのは国語かな。誰かが指名されて音読しているときに一陣の風が吹いて桜吹雪が舞い、クラスみんなの視線が窓の外に向く様子を想像してみる。あるいは、ここは音楽室でも似合う。時間ごとに教室の児童が入れ替わり、先生のオルガンに乗せて唱歌を歌う声が窓の外に響く。外で花に水を撒いている校長先生は、児童の歌声をニコニコ顔で聞いている。