サンセット

八丈島からの帰り、朝からずっとデッキにいた僕は、最初のうちは左側の手すりのそばに座り込んで海を見ていた。でも途中からそちら側の手すりは直射日光が差すので避けていた。その後は、反対側に移動したり、デッキの真ん中に座り込んで指導者たちとこの海洋道中の話題で盛り上がっていた。
東京湾に入ると船は速度を落とした。景色は次第に夕暮れに変わった。左側の手すりはサンセットビューの特等席に変わった。こういうときは誰かと一緒に見たいなと思っていたら、声をかけてくれる生徒がいた。生徒と一緒に話しながら、班別ミーティングの時間が来るまでの間、地平線に沈む夕日を見送っていた。大きな客船が横切っていった。船旅というのは時間がゆっくり進むようで良いものだ。こういう時間の進み方は近頃まるで無かったから新鮮だ。