北海道のワイン

日本一のワイン生産量を誇る山梨県において、スーパーのお酒売り場などでは山梨産のワイン以外は外国のワインしか見られないのが普通だ。お隣の長野県でも塩尻をはじめとしたワイン産地があるし、新潟県山形県などにもワイン銘柄はあるが、山梨県では見かけない。まして、北海道のワインなどめったに並んでいることが無い。
一方、北海道のスーパーでは、メルシャンなどの格安品はあったりするが、山梨産の葡萄で造った山梨ワインが並んでいることはあまり無い。音更の国道沿いには大きなスーパーが何軒かあるが、どこも北海道の銘柄か外国産ワインが並んでいた。「トカップ」というのは十勝の池田町で造られている「十勝ワイン」のこと。1000円を割り切る値段で売っているが、美味しい。でも、本州では1200円ぐらいで売られているからちょっと高い感じがする。
僕は30年近く前の大学生の頃、デパートのお酒売り場でアルバイトしていたが、北海道のワイン銘柄は「十勝ワイン」「はこだてワイン」をよく覚えている。当時の十勝ワインにはトカップの文字は無かった。はこだてワインは木の年輪がラベルに描かれていたので印象が深い。他に、「余市ワイン」「おたるワイン」があったと思う。
このほかにも北海道のワイン銘柄には、「奥尻ワイン」、「ふらのワイン」などがある。でも飲んだことは無い。奥尻ワインはラベルのデザインがイイ感じだが、本物を見たこともまだ無い。
ワイン王国の山梨県にいると、山梨産のワインばかり飲んでしまいがちだが、他の地方のワインも味わいがある。僕はアルバイトの頃に新酒を飲むのが楽しみだった。新酒は安いし軽さも僕好み。山梨には甲州とベリーAという二大ワイン向き品種があって、これが大きな特長だと思う。山形のワインはヴェルデレーという種類の葡萄を使っているし、長野の佐久地方では善光寺という葡萄を使っている。善光寺甲州はよく似ていたと思う。他地域のワインは外国品種を使っている銘柄も少なくない。山梨でも同様だ。山梨のワインをより知るために他地域のワインを飲むことをお勧めしたい。
今回、十勝ワインの高級品「清見」を飲む機会があった。葡萄栽培の条件に恵まれた山梨県とは違い、葡萄栽培に不適な寒さの北海道の十勝地方で、品種改良を重ねて作り上げたワイン用葡萄品種で醸したワインの味は、山梨産とはまた違った美味しさがある。
そろそろ、新酒の時期がやってくる。