怪獣出現

「キャップ、大変です!」
鑽孔テープを読みながら、頭に大きなヘッドホンを付けたフジ隊員が叫ぶ。
「怪獣出現です」
「なんだと、場所は何処だ」
「竜ヶ森です。画面の左へ向かって進んでいます」
「よし、アラシとイデは陸上から、ハヤタはビートルで現場へ急行」

ってな感じでしょうか。ディープなマニアが見たら「こ〜んなセリフ、ぜんぜんダメ」って言われそうですが、怪獣の首みたいな雲を見て思い出した。ウルトラマンの初回放送の頃、僕はまだ3歳だから、それを覚えているというわけでもないだろう。でも、何度も何度も再放送されたから、ビデオが無い時代にもかかわらず各回の内容を良く覚えている。その影響があまりにも強いためか、僕の座右の銘「正義の味方」で、僕が最も好きな脚本家は「金城哲夫」なのだ。
あの頃はテレビ番組にも明るい未来を感じていたな。怪獣に町がボロボロに壊されてしまってもエンディングは決まって明るくて、いい気分で来週を楽しみにしながら布団に入ることが出来た。