スーパードライ

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アサヒスーパードライは僕が就職した年に発売になった。銀色という今までになかった缶の色と斬新なテレビCM、苦くてこってりした感じのそれまでのビールの印象を大きく変えた味がが人々の心を引き、身売りすら噂されていた万年業界3位の会社のシェアを一気に拡大し、やがて業界首位に引き上げた。それ以前の大学生の頃にショッピングモールの酒屋さんでバイトをしていた僕にとって、アサヒビールは、例えば「ミニ樽」という新たな商品ジャンルを作り出しつつもパッとしないブランドだった。僕がいた店では業界4位のサントリーよりも取扱商品はずっと少なかった。そのサントリーは、松田聖子の歌にのせてアニメのペンギンが出てくる「泣かせる味じゃん」というテレビCMで一世風靡、アサヒを抜くのは時間の問題だと思われていた。そんな斜陽のブランドを数年後にスーパードライが救ったわけだ。それから30年以上が経つ。この看板はその内のいつ頃書かれた物だろうか。スーパードライの大躍進は最近の出来事のように思っていたが、これほど看板の文字が褪せるほどの月日が経った。