吊るし雲

20201120212639

今朝、富士山の東側に巨大な吊るし雲が二つ出ていた。そしてその後数時間ですっかり曇ってしまった。せっかくの休みだったのだが天気が悪くなったので家に居た。家に居たので退屈しのぎに録ってあった映画のビデオを観た。有名だけど観たこと無くて内容も知らなかった「キューポラのある街」という作品。僕が生まれる一年前に公開された。吉永小百合浜田光夫が出演の作品だからラブストーリーだろうと勝手に思い込んでいた。でも、実際には重厚な作品だった。朝鮮戦争の特需景気の後退によって職を失う鋳物職人とその家族、北朝鮮帰国事業に参加する朝鮮人家族など、内容、セリフ、画面を貧しさが覆うが、働きながら定時制高校に通うことを決意する主人公の姿に、未来の明るさを感じさせるものでもあった。舞台の川口市は東京のすぐそこにある町だが、画面の中では舗装路が全然出てこなかったと思う。小川の河岸には護岸も無く、歩行者しか通れない板を渡しただけの危なっかしい橋がかかっているだけ。川口のオートレース場も出てきたが、ここのコースすら舗装ではなくダートで、コーナーで激しく砂を巻き上げて走るシーンがあった。などなど今と当時は随分違う。