Iさん宅で

今日はIさんのリスニングルームにお招きを頂き、訪問することができた。今日の僕は朝から忙しい日で、9時頃に電話をもらったのに、おうちに行けたのは14時近くになってしまった。
階段を上ったところにあるリスニングルームを始めて目にしたとき、好きな物がぎっしり詰まった男子の遊び場「秘密基地」を連想した。すごく散らかってる、と言っていたが、その散らかり具合がいっそう秘密基地度を増す効果になっていた。部屋のそこら中にCDが重ねておいてあり、僕は気をつけて歩いていたつもりが2度もその山を崩してしまったほどだ。そしてその何倍もの数のCD,LP,DVDが引き出しや棚に詰まっていた。
壁一面に様々なスピーカーが並べられ、その中心にテレビの画面がある。部屋の真ん中に椅子が据えられ、そこがリスニングポイントになっている。椅子の斜め後ろにも左右にスピーカーがあり、これらはDVDなどで5.1chを使うためのもの。椅子に座るとすぐ前に低いラックがあり、真空管パワーアンプが3台、プリアンプが1台、CDプレーヤーも3台あり、スイッチャーでいろいろと切り替えられるようになっている。前にあるスピーカーの上にもCDプレーヤーと真空管アンプが置かれていて、どうやらこれらは別回路になっているようだ。更に、別なセットが部屋の反対側にあったり、今は使っていないスピーカーやアンプなどが部屋のそこかしこに置かれていた。
Iさんは僕に部屋の真ん中の特等席を勧めてくれ、いろいろな音を聞かせてくれた。アパート暮らしを30年も続けている僕にとっては破格の大きな音量、素晴らしい音を聞くことができた。そして、音量の違いこそあれ自分が普段聞いているセットが出す音の貧相さをつくづく感じさせられた。オーケストラを聴くと、聞こえていなかった楽器の音が一つ一つ聞こえてきた。ジャズを聴くと、遠くにあるように感じていたハイハットがすぐそばから聞こえてきた。スピーカーを切り替えると音が変わる。プレーヤーを変えても音が変わる。それがまた面白い。Iさんはロックのコレクションがすごくて、中でもお気に入りの様子のものをいくつか聞かせてくれた。どれも僕がまるで知らないものばかりだったが、Iさんが少し説明をしてくれるので面白さを感じることができた。
すっかり楽しんだ午後だった。