近頃は、「ダイヤモンド富士」に続いて「パール富士」というのも流行っているようだ。富士山の頂上から日の出をする様子と富士山の頂上に日没する様子がダイヤモンド富士だが、パール富士はそれを満月に置き換えたもの。この構図を得るのはなかなか面倒なことで、いつも丸い太陽を撮るダイヤモンド富士に比べて、「満月」が構図に必要なパール富士はざっと30倍もシャッターチャンスが少ないことになる。僕はどちらの富士にもさほど関心は無くて撮ったことも無いが、同じ職場のK君は毎月熱心に取り組んでいる。先日見せてもらった写真は、パール富士が湖面にも逆さ富士として映っている「ダブルパール富士」という作品だった。月に一度のチャンスの日、どこに行けばちょうど富士山と月が重なるのかを事前にしっかり検討して出かけると、撮影サイトにはずらっとカメラを構えたおじさん(お爺さん)たちが陣取っていたのだそうだ。
ところで、パール富士は実際のところ満月の一部分は富士山に隠されているわけで、それを利用すれば満月ではなくても撮れそうな気がする。例えば日の出側のパール富士では上弦の月側、日の入り側では下弦の月側。ただしどちらも日中になる。空が日の光で明るい状態ではパールの輝きも失せているだろうか。3日ぐらいは何とかなりそうな気もするが、撮影日が満月で無いとなると、その道の人たちにとって値打ちは下がるのかもしれない。