クローンマウス

実は今、我が家に「クローンマウス」がいる。
職場で開催した企画展で生体展示したマウスだ。大変貴重なマウスなのだが、無菌室(クリーンルーム)で生まれ育ったので、再びそこへお返しすることも出来ない。そのため、職場で引き続き飼育し展示することになった。実験用のマウスというのは、100年以上も前から無菌室で生まれ、育ち、子を産み、それがずっと続けられてきた。だから、企画展での展示前には、無菌室外の環境の中で生きていけるのかが心配だった。しかも、多数の人が来館する場所だし、無菌室と違って恒温恒湿でもない。クローンだから弱いというのではなく、代々無菌室育ちだから弱いだろうというわけだ。
しかし、マウスはそんな心配をよそに、3月21日から4月6日までの展示期間を乗り切り、現在も非常に元気がある。未だ疲れが取れ切れないで居る僕よりもずっと活発だ。毎日の世話も続いている。糞の量が増えた気がするし、体は来たときよりも大きくなった気がする。
職場が休みになるときには、僕が家に連れて帰って世話をしている。家族も歓迎している。近頃は小説の主人公にちなんで「アルジャーノン」と呼んだりもする。
明日の朝、職場へ一緒に出勤する。