荒れた山道

落としたレンズキャップを発見し、再び先へ進むことになったわけだが、どちらへ進もうかとしばし悩んだ。舗装路を通って千代田湖へ降りてから白山へ行くか、峠へ戻って旧キャンプ場を通って行くか。僕は、キャップ探しのためにここまで戻って登ってきたのだからもう少し登って峠経由で行く方が良さそうだと考えた。通ったことが無い道なので興味もあった。そして中峠へ戻り、そこからキャンプ場方面へと進んだ。まずは矢印通りに進み小さなピークへ登った。急な上りだったが僅かに道と判る筋がついていた。しかし、その先に全く道が無い。急登だったから引き返すのも癪に障る。よく見ると、30mぐらい先だっただろうか、ピンク色のリボンがぶら下げられた木が見えた。しかし、そこまでの間には何本もの木が倒れ細い若木もたくさん生えていて道は無い。でもあれが目印だと思い、木を跨いだり潜ったり若木を掻き分けたりしながら進んだ。目印まで来ると次の目印がその先に今と同じような障害を超えたところに見えた。僕は再びそれを目指して進んだ。こうして何度も同じようなことをしながら道無き道を進み、ようやく木段のある場所にたどり着くことができた。どうやら、旧キャンプ場とは違う廃道を来てしまったようだった。レンズキャップ探しと廃道探検で1時間も時間をロスしてしまった。