コンパス

次女が算数の宿題をやっていた。コンパスで円を描く内容だった。
僕が子供の頃にもこんなコンパスがあった。でも、進化している。鉛筆を固定するところの出来が良い。柄も僕の頃には薄い鉄板を折り曲げて作り、中心部はリベット止めされたようなものが多かった。メッキも質が悪くて使い始めるとさっさと錆び始めた。高いものは鋳物にクロムメッキしたようなものもあって、それは柄の中ほどで折れるようにもなっていたが、そういうものは買ってもらえなかった。そういうものは児童向けの文房具が売っている場所ではなく、文房具屋さんでも奥の方の星図用品が入っているガラスケースの中に入っていた。尤も、男子小学生にとってコンパスは消耗品であり、壊れたり無くしたりで何度も新しいものを買ってもらわなければならなかったから、高級品など手にするべきものではなかった。
高校生になってから、同じクラスに西ドイツ(当時)のステッドラー製の高級なコンパスセットをもっている人がいて、時々広げて見せてくれた。それは立派なもので、出来の良さをいろいろと説明してもらった。でも、高校生が特に円を描く必要が有るわけでもなかったので、その人も必要で買ったのではなくコレクションとして買ったようだった。