カマツカ(川魚)

職場の水槽にいるカマツカという魚は、髭があってかなりの面長な出目。ときどき砂利の中に潜って目玉だけを出している。そういう姿を見たときには野生を感じる。でも、同じ水槽にいるドジョウは、頭だけを砂利に突っ込んでお知りから後ろを出していることがあって格好悪い。他にもこの水槽には、オイカワ、シマドジョウ、ギンブナ、タモロコなどがいる。
これらの魚は金魚や熱帯魚などの所謂「観賞魚」とは違って、自然の川や沼に棲んでいる魚たち。水槽のメンテナンスに来てくれた業者さんに聞いてみた。「こういう種類の魚を専門にしている養殖業者さんっていうのはどのくらいあるのですか」すると「無いですね」と僕の想定とは違う返事が返ってきた。僕が想像していたのは、県内でもニジマス養殖などをしている業者さんが、きっと片手間にマイナーな川魚の繁殖を手がけていたりするのだろうというぐらいに思っていた。「え、それじゃあ」「ええ、注文の都度、捕るんですよ」「そういうプロがいるんですか」「『捕り子さん』っていう人がいて、捕ってくれるんですけど、季節によっては捕獲がが難しい種類もあるから簡単じゃないです」
いやー、知らなかった。それにしても、トリコさんっていう職業があるとは、職業の世界は深い。「山梨には何人ぐらい捕り子さんがいるんですか」「いませんね、やっぱ川魚の豊富なところに多いみたいです」やはり捕り子さんも簡単な職業では無さそうだ。きっと皆さん、何かの副業なのだろう。