発電パネルにも積もった雪

雪はどこだろうと容赦なく積もる。出来立ての太陽光発電設備のパネルは雪で覆われていた。自然エネルギーがもてはやされて久しいが、相手が自然であればこそ人間の利益に対してはこのように不安定さが付き纏う。
この場所は数年前まで葡萄棚だった。生食用だったのか葡萄酒用だったのかは分からないが、毎年地面の養分と太陽の光を秋の実りに変えていた。それがあるときすっかり無くなって裸地になった。それからしばらくの間、地面の養分と太陽の光は葡萄に替わってホトケノザなどの雑草が享受していた。葡萄は山梨県の特産品として名高いが、その一方で栽培者の高齢化と後継者不足が言われる。ここもおそらくそんな事情があったのではないだろうか。
太陽光発電など、建物の屋上や駐車場の屋根などに利用される程度でよいと思うのだが、設備費の安さと手のかから無さからか、このような果樹栽培適地にもどんどん侵食している。数十年後にこれらの設備が老朽化したときどうなるだろう。設備が新しく更新されるだろうか、それとも空き家問題と同様に放置されるだろうか、あるいは撤去されて葡萄の苗が植えられるだろうか。