6月12日の日記にも書いたけど、僕は八丈島で虹を見たかった。海にかかるやつが特に希望だった。その頃は、どんな場所にキャンプを張るのか、そこからどんな景色が見えるのか、地図から想像するだけだった。今思い返せば、夕方だったらBCから見て海の方向にきれいなアーチが見えても良かった。でも残念、僕は期間中に虹を見ることが出来なかった。
帰りの船ではデッキで過ごした。前半の三宅島までは1人でいろんなことを考えて海を見ていた。後半は他の指導者や生徒たちといろんな話をした。結局、底土港から竹芝埠頭まで、僕の席には荷物しか座っていなかった。
三宅島までの間、船が作り出す白い波を見ていると、波間に虹が時々見えることに気がついた。八丈島では見られなかったけれど、この旅でようやく虹を見られた。大きなアーチではなかったが、なんだか満足した。波が入れ替わるごとに消えてしまうし、周りに生徒も居なかったので色を数えることはしなかった。あらためて写真を見てみる。ユニフォームにある3色の虹より色が多いだろうか。みんなはこの小さな虹に気づいていただろうか。
虹を突き破るようにしてトビウオが飛んだ。ずいぶん遠くまでとぶものだ。